はじめに
小さな店舗や個人のサロン等にエアコンを設置する場合、業務用エアコンがいいのか、家庭用エアコンでも20畳以上のものがあるので、家庭用エアコンでも問題ないのではと悩まれる方がいらっしゃいます。
そもそも家庭用エアコンと業務用エアコンには明確な違いは何でしょうか。
この記事では、家庭用エアコンと業務用エアコンの違いについて解説します。
1. 設置場所と用途の違い
1-1．家庭用エアコン：住宅や個人の部屋
家庭用エアコンは、主に住宅や個人の部屋に設置されることを目的としています。
小規模なスペースを効率的に冷暖房するために設計されており、設置も比較的簡単です。また、操作もシンプルで、リモコン一つで温度調整ができるようになっています。
1-2．業務用エアコン：オフィスビルや複数の部屋
一方、業務用エアコンは、オフィスビル、店舗、工場、学校、病院など、広い空間や複数の部屋を冷暖房するために設計されています。
これらの場所では、同時に多数の人が利用するため、より強力な冷暖房能力が求められます。また、複数のエアコンを連動させて効率的に空調管理を行うことができるため、建物全体の温度を統一することが可能です。
2. 冷暖房能力と構造の違い
2-1．家庭用エアコン：標準的な電源でOK
家庭用エアコンは、小規模な部屋を効率よく冷暖房できるように設計されています。
冷暖房能力は一般的に2kWから7kW程度で、一般家庭のリビングルームや寝室に適しています。また、設置が比較的容易で、電気配線も家庭用の標準的な電源で対応できます。
家庭用エアコンには「壁掛形ルームエアコン」と「ハウジングエアコン」の2種類があります。
壁掛形ルームエアコンは壁に掛ける形状をしたエアコンで、多くのご家庭は壁掛形ルームエアコンを使用されていると思います。一方、天井や壁に埋め込むなど、壁掛形以外の家庭用エアコンを「ハウジングエアコン」と呼びます。
2-2．業務用エアコン：業務用の電源が必要になる場合も
業務用エアコンは、広い空間や複数の部屋をカバーするために、家庭用エアコンよりもはるかに強力な冷暖房能力を持っています。
例えば、10kWから50kW以上の能力を持つモデルもあり、複数の室内ユニットを一つの室外機でカバーできるシステムも存在します。
電源は馬力（能力）に応じて200V以上や三相電源を使用します。
また、天井埋め込み型や床置型など、設置方法や構造が多様です。
業務用エアコンの主な種類
・天井埋込カセット型
天井の中に本体がすっぽりと入り、壁に凸凹ができないスタイリッシュなタイプ
・天吊り型
天井に設置するタイプです
・壁掛け型
家庭用エアコンのように、壁に設置するタイプ
・床置型
床置型は、天井や壁に取り付ける必要がないため、設置場所の自由度が高く、天井が高い場所や天井や壁にエアコンを設置できない建物でも、簡単に設置可能です。
3. メンテナンスと耐久性の違い
3-1．家庭用エアコン：簡単なメンテナンス
家庭用エアコンは、基本的にユーザーが自分でフィルターを掃除したり、簡単なメンテナンスを行うことが想定されています。
通常の使用であれば、10～15年程度の耐用年数があります。ただし、使用頻度や設置環境によって寿命が変わることもあります。
3-2．業務用エアコン：プロによる点検や修理
業務用エアコンは、長時間連続で稼働することが多いため、より頑丈に設計されています。
定期的な専門的メンテナンスが必要であり、プロフェッショナルによる点検や修理が推奨されます。
業務用エアコンの寿命は10～15年程度ですが、適切なメンテナンスを行えばさらに長く使用することが可能です。
まとめ
業務用エアコンと家庭用エアコンの違いは、設置場所や用途、冷暖房能力、メンテナンスの頻度といった点にあります。家庭用エアコンは、比較的小規模な空間を効率的に冷暖房するのに適していますが、業務用エアコンは広い空間や複数の部屋を統一して管理するのに優れています。
どちらもそれぞれの用途に応じて選ぶことが大切です。
エアコンの選定は、広さだけで決められるような単純なものではないため、空調業者に相談して決めることをおすすめします。
エアコン選びに迷われたら、お気軽にお問い合わせください！